ペーチ地域

ペーチはハンガリーのバラニャ県にある都市で、聖イシュトヴァーン広場にある新ロマネスク様式の大聖堂が象徴的です。大聖堂前の地下室には、古代キリスト教の墓群と壁画があります。壁画には、サタンがアダムとイヴを誘惑して禁断の果実を食べさせる場面や、正義の裁判官ダニエルが二頭のライオンの間に座っている姿、そして高みにいるイエスの肖像が描かれています。ペーチのもう一つの名所は、ジョルナイ陶磁器工場で生産される直線派の彩陶器です。ペーチはまた、ハンガリーの文化芸術の中心地でもあり、多くの芸術家がこの都市で不朽の名作を創り出しました。例えば、ハンガリーのゴッホと称される有名な画家チョントヴァリなどです。

カシムパシャモスク

ペーチはオスマン帝国時代の建築物が保存されていることで観光客に人気があります。その中でも、セーチェーニ広場にあるカシムパシャモスクは最も有名な遺跡の一つです。このモスクは後にキリスト教の教会に改装されました。もう一つの必見スポットはヤクヴァイ・ハサン・パシャモスクで、この建物はハンガリーのイスラム教古建築の中で最も保存状態が良い部分を持っています。今日でも、ラマダンの時期には地元のムスリムが訪れます。

ジョルナイ文化地区

2010年、ペーチは「欧州文化首都」の称号を獲得しました。この栄誉を迎えるために、ペーチではジョルナイ(Zsolnay)家族の旧工場と周辺地域の再建が行われ、新しい体験センターも設置されました。これにより、観光客はこの都市の歴史と文化をより全面的に理解することができます。

セーチェーニ広場

セーチェーニ広場はハンガリー南部の都市ペーチの中心部に位置し、ハンガリーの詩人イシュトヴァーン・セーチェーニにちなんで名付けられました。この広場にはオスマン帝国時代の建物が多く保存されており、その中でも最も有名なのはカシムパシャモスクです。しかし、ハンガリーの独立後、このモスクは破壊されることなく、キリスト教の教会に改造されました。広場には聖三位一体の像とフニャディの像があり、周囲には県庁や市役所などの建物があります。

司教の宮殿

15世紀、ペーチ宮殿は防御システムの一部として塔を建設しました。現在、この場所は観光客に開放されており、訪れることができます。塔の石壁に立つと、司教の宮殿を見下ろすことができ、市庁舎の高い塔を窓越しに見ることができます。司教の宮殿の西側のバルコニーには、ハンガリーの偉大な音楽家リストの像があります。1846年、彼は司教の招待を受けてペーチを訪れ、この地で一曲を作曲し、この都市と深い縁を結びました。大聖堂の門の銅製レリーフには、『聖書・旧約・創世記』の物語、バベルの塔の伝説が描かれており、世界に異なる言語と人種が存在する理由を説明しています。