ホール内の教会のような傾斜した屋根は、室内音響を強化するためのものであり、暖色系のインテリアは自然そのものの色調と形状を反映しています。フィンランディアホールは、一日のどの時間帯でも壮観な景色ですが、夜間に訪れると、水面に映るホールの反射が素晴らしい光のショーを演出します。
音楽センター
フィンランドホールに隣接する音楽センター（Musikkitalo）は、ヘルシンキのカンピ地区の旧鉄道敷地に位置し、2012年に完成したヘルシンキ市内の有名なクラシック音楽ホールです。トゥルクのLPR建築設計事務所の作品『穏やかな声』が設計競技で優勝しました。建築家の言葉では、このタイトルは「私は静かに来る」という意味で、周囲の景観に影響を与えません。このような指導理念のもと、フィンランドホールからキアズマ現代美術館や議会建築群まで、すでに有名なランドマーク建築の中で、デザイナーは控えめでありながらも優雅な建物を構想しました。
ヘルシンキオリンピックスタジアム
オリンピアスタジアムは現代フィンランド建築のもう一つの例であり、建築家ユルヨ・リンデグレン（Yrjö Lindegren）とトイヴォ・ヤンティ（Toivo Jantti）の手によって1938年に完成しました。スタジアムにいると、その重厚な歴史感を感じずにはいられないでしょう。1930年代はフィンランドの陸上競技の黄金時代であり、1952年にはヘルシンキでオリンピックが開催され、全世界の注目が集まりました。ソ連も歴史上初の夏季オリンピック代表団を派遣しました。近年では、スタジアムはマドンナ、U2、マイケル・ジャクソンなどの大物アーティストのコンサート会場としても使用されました。
カンピ静思堂
カンピ静思堂は、まるで優雅な宇宙船がヘルシンキの最も賑やかなショッピングエリアの一つに降り立ったかのように見えます。この建物は美しく、ここに現れることは驚きですが、密集した都市景観の中で心地よい静けさを感じさせる場所となっています。静思堂は2012年に完成し、ちょうどヘルシンキが「世界デザイン首都」に選ばれた時期にあたります。この建物は世界中から訪れる観光客を魅了しています。また、多くの人々が偶然にこの場所を見つけることもあり、それこそがカンピ静思堂を設計したKS2建築設計事務所の意図かもしれません。
ハルティア
ハルティアはヘルシンキ郊外25キロメートルのヌークシオ国立公園のそばに位置し、持続可能な建築の典型です。このエレガントな建物はラフデルマ（Lahdelma）とマフラマキ（Mahlamäki）建築事務所によって設計され、フィンランドの叙事詩『カレワラ』に登場する神鳥金眼鷲からインスピレーションを得ています。2013年にフィンランド木造建築賞を受賞しました。これはフィンランド国内で初めて完全に木材で建てられた公共建築物です。
アルヴァ・アールトの家
ムンッキニエミ地区のアルヴァ・アールトの家を訪れないと、ヘルシンキのモダニズム建築巡りは不完全です。ここでは、アルヴァとアイノ・アールト夫妻が共同で設計し、自分たちの完璧な家兼スタジオを建てました。これは白いレンガ造りのモダニズム建築で、木製の外壁にはツタが絡まっています。建設中、自然の景観はほとんどそのまま残されました。アールト夫妻は自然光を十分に活用し、自然の景観をそのまま保ちながら、フィンランドの厳しい冬の気候にも耐えられる住宅を設計しました。大きな格子窓は日光を取り入れ、庭の景色を一望でき、複数のテラスとオープンな暖炉は、屋外活動を好む主人の趣味を示していますが、外壁は堅固で外界の喧騒を遮断しています。これは四季を通じて快適な家です。
マイレ邸
アルヴァ・アールトと妻アイノは、友人である裕福な実業家夫妻ハリー（Harry）とマイレ・グリクセン（Maire Gullichsen）の依頼を受け、フィンランドのノールマルク（Noormarkku）にあるマイレ邸を設計しました。グリクセン夫妻は現代美術を愛し、アールトに大胆な試みを奨励しました。さまざまなスタイルと素材が奇抜に重なり合い、空間を区切るだけでなく、異なる気分を暗示しています。内装と外装は意図的に混乱させるように作られており、大きな窓は外界を内部に招き入れるかのようで、白樺林は邸内に点在する木柱の人工林と相互に映えています。
セント・ヘンリー・クリスチャン・アート・チャーチ
トゥルクに来たら、ヒルヴェンサロ（Hirvensalo）島にあるこの魅力的なアートチャーチを訪れる必要があります。極めてシンプルなデザインは、畏敬の念を抱かせると同時に非常に控えめです。セント・ヘンリー・クリスチャン・アート・チャーチは、サナクセンアホ（Sanaksenaho）建築事務所によって設計され、2005年に完成しました。この教会は周囲の自然への記念碑であり、初期のキリスト教教会への敬意を表しています。
